台湾経済: 12月の輸出は前年同期比12.1%減

4ヶ月連続のマイナス成長

 昨年12月の輸出額は357.5億ドルで、20ヶ月ぶりの低水準となりました。前月比1.1%減、前年同期比12.1%減となり、4ヶ月連続のマイナス成長となりました。昨年の輸出総額は4795.2億ドルで、前年比7.4%増となり、過去最高を更新しました。

 

 財政部統計處長は、世界経済の成長が著しく鈍化していることに加え、1月は春節の関係で営業日数が5日短くなるため、1月の輸出予想額は304億元から320億元となり、前年同期比24%増となりました。12月は輸出額が輸入額を47.9億元上回り、前年比9.6億元減となりました。累計では、輸出が輸入を519.2億元上回り、前年比124.9億元減となりました。

 

 世界経済はインフレや金利上昇により徐々に冷え込み、中国でのコロナ感染拡大により、生産活動が阻害され、最終需要も伸び悩んでいます。12月の輸出額は前年同月比12.1%減となり、4ヶ月連続のマイナス成長となりました。また輸入面では、メーカー備蓄に慎重になり、原材料価格が全般的に下落したことから、輸入額は309.6億ドルで、前年同月比11.4%減となりました。しかし、上半期の対外貿易の大幅な増加により、年間輸出総額は4795.2億ドル、年間輸入総額は4276億ドルとなり、共に過去最高を記録しました。

 

 12月も全面的に購買意欲の低下やメーカーによる在庫処分のための減産により、中でもプラスチックは前年同月比33.8%減、化学品は前年同月比28.4%減、ベースメタルは前年同月比22.0%減となりました。情報通信・音響映像機器の輸出は、インターネット関連製品の需要は堅調に推移したものの、家電製品市場の低迷により、前年同月比10.7%減となりました。昨年の電子部品、AV製品、ベースメタル及びその他の製品、機械、化学品、輸送用具などの6類の輸出は過去最高で、中でも電子部品は2千億ドルを突破し、輸出の41.7%を占めています。

 

 また、12月の5大市場向けの輸出は縮小しました。中でも中国・香港向けの輸出は前年同月比16.4%減で最も下降しました。また、ASEANと欧州はそれぞれ前年同月比10%減、日本は前年同月比6.1%減、アメリカは前年同期比2.6%減となりました。昨年、日本は前年比15.1%増、ASEANは前年比14.8%増、アメリカは前年比14.3%増、欧州は前年比6.8%増とそれぞれ過去最高を記録しましたが、中国・香港向けの輸出は前年比1.6%減となりました。

 

 今後の展望として、財政部による物化抑制のための主要国での金融引き締め政策や、ロシアの軍事侵攻の状態に加えて、中国のコロナウイルスの感染状態により、世界経済の成長は大きく鈍化し、台湾の輸出実績に大きく影響を及ぼすと思われます。新興技術の応用や最終製品におけるチップ搭載量の増加などのプラス要因もありますが、マイナス要因を相殺するには至っておらず、第1季の輸出は引き続き減少すると思われます。

 

以上を自由財經の記事から一部を翻訳しました。

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