台湾経済: 現在の経済情勢概要

固定投資の発展動向の分析

一、 国外経済
ロシアの軍事侵攻により、世界的な連鎖崩壊のリスク、インフレの高まりは、世界経済の勢いを弱めています。HIS Markitによると、3月15日の世界経済成長率は先月比0.8%減の3.3%とと予測され、ユーロ圏が1.3ポイント減となっている。

二、 国内経済
5G・高性能コンピューティング・カーエレクトロニクスなどの新興技術アプリケーションの継続的な成長に加えて、一部材料不足の緩和と国際原料価格の継続的な上昇の恩恵を受けて、2月の輸出は昨年比34.8%増加、製造業生産指数は昨年比10.2%増加となりました。
今後、各国の水際対策が徐々に緩和され、新技術の応用やデジタルトランスフォーメイションの拡大が加速するなか、製造業の輸出受注・生産は順調に拡大すると見込まれますが、ロシアの軍事侵攻や、コロナウイルスの変異種の感染リスクや、世界貿易の成長が制限される可能性があります。小売・飲食業は、国内の疫病の安定化、人々の外出・消費意欲の高まり、ビジネス客の入国許可などにより、今後も成長が見込まれています。

三、 テーマ:固定投資の発展動向分析
1.2021年の固定投資は引き続き最高値を更新:2021年製造業が積極的に工場の拡張や設備の追加購入を続ける中、5Gネットワークやグリーンエネルギー設備の導入が加速したことも相まって、固定投資規模は過去最高の5兆円を突破し、成長率は14.7%の5兆円6,495億元を達成しました。
2.経済成長への貢献度の大幅な向上:近年固定投資の伸びが大きく、経済成長への貢献度が大きく、2011〜2018年まで概ね1%未満であったが、2021年には3.55%まで上昇し、他のGDPの構成要素よりも優れている。
3.堅調な民間投資のモメンタム:固定投資の主役は常に民間企業で、2014年以降は全体の8割以上を占めています。大手半導体メーカーが設備投資計画を推進し、台湾人企業家の台湾への逆投資が続く中、2021年の民間投資は、4兆7,645億元で成長率は19.1%と過去11年間のうち最高のの成長率を記録する見込みです。
4.デジタル財産はへの投資の割合が大幅に増加:種類別では、2021年には建設プロジェクトが37.9%を占め、続いて機械設備が36.8%、デジタル財産が20.5%、運輸が4.8%でした。2011年との比較ではデジタル財産が1.7ポイント増加し、他の種類を上回りました。
5.製造業で各分野でトップ:2020年の製造業投資が44.6%でトップで、大手半導体企業の投資拡大や台湾人企業家の台湾への逆投資が続き2019年、2020年の製造業固定投資は2兆円を超えました。
6.資本設備輸入は昨年比30%増:2018年は米中貿易摩擦により世界のサプライチェーンが再編され、製造業の台湾投資回帰が進み、資本設備の輸入が年々上昇し、2021年の資本設備輸入額は過去最高の688億ドルに達し昨年比は30.8%増加となりました。
7.投資金融生産性指数が過去最高を記録:近年、製造業は大規模な投資を行い、投資金融生産性指数は過去最高を記録しています。2021年の投資金融生産性指数は昨年比12.8%増の147.2ポイントでした。中でも、機械及び運輸設備の資本財が昨年比14.7%増で、過去11年間で最高の増幅でした。建設財は昨年比5.7%増で2年連続プラス成長でした。
8.企業部門の研究開発費は2桁成長の伸び:国内経済の知識集約型経済産業への転換に伴い、研究開発は企業の競争力強化のための重要な要素となっており、企業部門の研究開発費は年々増加傾向にあります。2020年には5,934億元で昨年比11.0%増加となっており、2005年以来最高増幅となりました。
9.近年台湾の固定投資平均成長率はアジア四小龍の中でトップ:2021年アジア四小龍での固定投資平均成長率ではシンガポールと香港はプラスに転じました。;台湾は4年連続でプラス成長でした。韓国は2年連続でプラス成長でした。2011〜2021の平均成長率は台湾が4.1%でトップで、2.9%でシンガポール、韓国が2.6%、香港が0.1%となりました。
10.近年台湾のGDPにおける固定投資の比重の増加幅が最も大きい:アジア四小龍のGDPにおける固定投資の比重の増加幅を比較すると、2011年から2021年まで台湾は2.6%増で最も大きく、韓国は1.2%増、シンガポールは2.1%減、香港は6.0%減となりました。
11.固定投資は今年も過去最高水準で推移する見込み:半導体メーカーの設備投資の継続的な増加、台湾の投資プログラムの延長などにより、2021年より高い水準を維持しながらも、投資モメンタムは維持されると予想されています。
12.台湾をグローバルな産業サプライチェーンのハブとして構築し、投資の勢いを持続させる:近年政府はインフラの強化、投資環境の整備、生産構造の調整、産業の転換・高度化を進め、経済全体を強化することにより、台湾の産業の世界における重要な位置づけが高まり、台湾人起業家の帰台、海外の投資家が集まることによって、台湾への投資の勢いが継続的に高まり、産業の持続的な発展を促し、経済成長の基盤を築くことができます。

以上を中華民國經濟部中華民國經濟部から一部を翻訳しました。

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