台湾経済:実は「ネジ王国」な台湾 統計でみる台湾

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POINT

    1. ボルト・ナット産業の50%以上が南部地域に集中
    1. 今年の1月~5月、ボルト・ナットの生産量が20%以上増加
    1. 主な輸出先はアメリカ
    1. アメリカのボルト・ナットの輸入では、台湾が最大のシェア

ボルト・ナット産業の50%以上が南部地域に集中


台湾は「ねじの王国」として国際的に知られており、品質の良さと納期の早さで、世界のボルト・ナットの供給市場で地位を築いています。
統計によると、2019年のボルト・ナット・リベット製造業の工場数は1,800を超え、3万9,000人以上の労働者が働いています。
その中でも最大の産業集積地は高雄です。700以上の工場があり、世界有数のボルト・ナットの供給地となっています。

今年の1月~5月、ボルト・ナットの生産量が20%以上増加



2017年、貿易活動の回復と鉄鋼価格の上昇により、2年連続のマイナス成長を止め、生産額は1,268億台湾ドルとなりました。
2018年、輸出受注が引き続き好調で、国内のネジ製品は高額化に向けて積極的に展開し、生産額は1,463億台湾ドルとなり史上最高を記録しました。
2019年と2020年は米中貿易摩擦とCOVID-19の発生が生産額に影響を与え、結果的に連続して減少。
2021年は、ワクチン投与率の上昇に伴い、世界の経済活動が徐々に上向きになってきています。鉄鋼価格の高騰により、台湾のボルト・ナット生産の勢いが増し、1月から5月までの生産額は579億台湾ドルで、年率21.5%の増加となっています。

主な輸出先はアメリカ


台湾のボルト・ナットは輸出志向が強く、直接輸出率は75%以上で、2020年には輸出額が39.7億米ドルとなり、中国、ドイツに次いで世界第3位となります。
今年はcovid-19の流行が落ち着いてきたこともあり、欧米のロックダウンが徐々に解除され、各国でインフラ整備が積極的に進められたことにより、1月から7月までの輸出額は29億3,000万米ドルで、年率30.9%の増加となりました。ドイツへの輸出は2億4,000万米ドルで全体の8.3%、オランダ、日本、英国への輸出はそれぞれ5.6%、4.6%、4.0%で、上位5カ国の市場で全体の64.4%を占めています。輸出の年間成長率を見ると、日本が3.8%であったのを除き、4カ国とも2桁の高い成長率を記録した。

アメリカのボルト・ナットの輸入では、台湾が最大のシェア

米国におけるボルト・ナットの輸入シェアは、今年1月から6月までの間、台湾が37.5%と引き続きトップを占めています。
これに続くのが中国の16.2%で、2019年の米中貿易摩擦以降、両者の差は拡大しています。日本は11.3%で3位となっています。
EUの輸入市場におけるシェアでは、2016年にEUが中国からの炭素鋼製ネジに対する反ダンピング関税を撤廃したことで、中国のEU輸入市場が大きく成長しました
2020年には台湾を追い抜き、今年1月から4月にかけて、中国が26.1%で1位、台湾が21.1%で2位となりました。

経済部より一部翻訳

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