【労務】2週間、4週間、8週間のフレックス出勤制度ってどう?

クライアント社長
フレックス制度ってどう?

 

 

フレックス制度について

台湾には2週間フレックス制度、4週間フレックス制度、8週間フレックス制度があります。
出勤形態に合わせてそれぞれのフレックス制度を選択することができます。
LinkBizでも2週間フレックス制度を取り入れており、
その経験を踏まえて、二週間フレックス制度のメリットやデメリット
実施にあたっての注意事項などをまとめました

この記事の目的は、
二週間フレックス制度のメリットデメリットを整理する
実際に取り入れる際の注意事項をシェアする
の2点となります。

目次

  1. 実施の前に
  2. 2週間フレックス制度とは
  3. メリットとデメリット
  4. 実際に取り入れる際の注意事項

 

実施の前に

2週間フレックス制度、4週間フレックス制度、8週間フレックス制度について台湾には2週間フレックス制度、4週間フレックス制度、8週間フレックス制度があります。
2週、4週、8週いずれのフレックス制度の実施でも労使会議が必須です。
また4週、8週のフレックス制度の実施は政府の指定する業種でなければ実施することができません。下記政府の指定する業種一覧です。

4週間フレックス制度8週間フレックス制度
環境衛生および汚染防止サービス業建築業
預金保険機構業観光バス業
ガソリンスタンド航空運輸業
銀行郵政サービス業
管理顧問業電信サービス業
投資信託業建築投資業
福利厚生サービス業港湾運送事業
貸金業

ここではどの業態でも取り入れることのできる2週間フレックス制度について紹介します。

2週間フレックス制度とは

2週間フレックス制度の特徴

①労基法で定められている週休二日を二週4日休に変更することができる
②1日8時間以上の出勤で残業扱いになるのを 1週40時間(1日最大10時間まで)2週80時間で計算することが可能となる※1週40時間以内であれば、1日10時間働いても残業計算しなくてよい

①労基法で定められている週休二日を二週4日休に変更することができる

通常、7日間のうち1日を休息日、別の日1日を日假日(法定休日)とする必要があります。
一般的に休息日は土曜日、日假日(法定休日)は日曜日となることが多いです。
7日間内であれば、どの日を休息日や日假日(法定休日)とするのは自由に変更できます。
例えば月曜日を日假日(法定休日)とする 水曜日を休息日とし 土曜日と日曜日は出勤とするといった変更が可能です。
これが2週フレックス制度だと、2週間以内で休息日を調整することが可能になります。
通常のシフト(制度前)と二週間フレックスの違いを見ていきましょう。

通常のシフト(制度導入前)、7日間の間で、休息日や日假日を調整することができる
制度導入前
調整前出勤1出勤2出勤3出勤4出勤5休息日日假日
制度導入後
調整後出勤1出勤2休息日出勤3日假日出勤4出勤5
導入後例1 二週間フレックス制度を採用すると、第一週目の休息日を第二週に移動することが可能となる。
調整前
第一週出勤1出勤2出勤3出勤4出勤5休息日日假日
第二週出勤1出勤2出勤3出勤4出勤5休息日日假日

↑調整前 ↓調整後 一週目の休息日を二週目に移動している。1週目は6連続出勤となるがすべて通常の仕事時間としてカウントされ、残業とはならない。

調整後
第一週出勤1出勤2出勤3出勤4出勤5出勤6日假日
第二週出勤1出勤2出勤3出勤4休息日休息日日假日

1日8時間以上の出勤で残業扱いになるのを 1週40時間(1日最大10時間まで)2週80時間で計算することが可能となる

通常は1日の就労時間が8時間を超えると残業とみなされます。
2週間フレックス制度を使用すると1週の就労時間の合計時間が40時間、2週の就労時間合計時間が80時間を超えない限り残業とみなされません。
仮に月曜日に10時間働いたとしても火曜日に6時間の出勤すれば残業が生じないことになります。
※1日の就労時間んが10時間を超えると残業扱いとなります。
※2週で休みが4日未満となった場合は残業になります。

導入後例2 二週間フレックス制度を採用すると、9時間出勤や6時間出勤などのシフトを組むことができる
調整前
第一週出勤1出勤2出勤3出勤4出勤5休息日日假日
出勤時間8888800
第二週出勤1出勤2出勤3出勤4出勤5休息日日假日
出勤時間8888800

↑通常のシフト ↓導入後休息日や日假日を別の曜日に変更、また出勤時間が9時間の日や6時間の日がある。合計が1週40時間なので残業とみなされない。

調整後
第一週出勤1日假日出勤2出勤3出勤4休息日出勤5
出勤時間9098806
第二週出勤1出勤2日假日出勤3出勤4出勤5休息日
出勤時間9808870
導入後例3 二週間フレックス制度を採用すると、10時間×4日出勤、週休3日とすることができる
調整前
第一週出勤1出勤2出勤3出勤4出勤5休息日日假日
出勤時間8888800
第二週出勤1出勤2出勤3出勤4出勤5休息日日假日
出勤時間8888800

↑調整前 ↓調整後1日の出勤時間を10時間とし、毎週水曜日を1日を休みとする。1週間の合計出勤時間は40時間なので、残業とみなされない。

調整後
第一週出勤1出勤2休息日出勤3出勤4休息日日假日
出勤時間10100101000
第二週出勤1出勤2休息日出勤3出勤4休息日日假日
出勤時間10100101000

メリットとデメリット

メリット
シフトが組みやすくなる。特に土日出勤が必要となる業態では必須
1日の就業時間が来店数などによって変則的に変わる飲食店やサロンなどでは、残業をコントロールすることができる
行政向けのカレンダーの通りにシフトを組むことができる

デメリット
休日出勤が生じると残業代が増えてしまう
例 1日10時間×4日出勤としてシフトを組んでいたが、6日目にも人が足りずにスタッフ出勤を依頼した場合
6日目は休息日扱いのため、1時間目から1.34倍計算 2時間以降は1.67倍の計算をしなければならない
8時間出勤が12.7時間の労働時間として残業代を計算する必要がある。

実際に取り入れる際の注意事項

お客さんがいない時には早上がり、といったことが起きる業態ではフレックス制度が向いている
行政向けのカレンダー通りにシフトを組む場合は、オフィス勤務であっても制度の導入が必要。
時給のアルバイトも対象とすることが可能。
残業がよく生じる業態では、残業代コントロールに効果があるが、休日出勤が多く生じる場合は逆に残業代が多くなることがあるので注意必要

例 休日出勤により残業代が高くなるパターン

非導入
A出勤1出勤2出勤3出勤4出勤5休息日日假日
出勤時間10108101000
導入済
B出勤1出勤2休息日に出勤出勤3出勤4休息日日假日
出勤時間10108101000

制度を導入していないA
制度を導入しているB

二人を比較すると1週間のの合計就労時間は同じ 48時間。
Aは月、火、木、金がそれぞれ2時間、合計8時間の残業となる
Bは水の休息日のみが残業8時間となる

Aの残業は2時間以内なので、時給の1.34倍 【8*1.34=10.72時間 相当となる】
Bの残業は8時間 2時間は時給の1.34倍 6時間は時給の1.67倍となる
【2*1.34+6*1.67=12.7時間 相当となる】

結果Bのほうが残業代が多くなる

導入に向けてのヒント

・シフト作成日に休息日、日假日を設定する必要あり
これはフレックス制度に限りませんが、どんな職種、どんなシフトであっても
翌月の出勤日が決まった際に、どの日が休息日でどの日が日假日なのかを明記して置く必要があります。

・スタッフへの説明を丁寧に行う
従業員はネットの情報などで間違った知識をもっていることがあり、正確な計算方法を丁寧に説明する必要があります。

本人が残業と思っていた時間が、残業にならなかったということが起きると、仮にその計算が正しかったとしても従業員の心理にはマイナスの記憶が残ります。
そういったことが離職につながることもありますので十分に説明をする必要があります。

・タイムカードの記録をしっかりとる
タイムカードの記録は5年間保存が義務づけられています。
1日の出勤で休憩時間を設定している場合は、その時間も打刻することをお勧めします。

・タイムカードの記録を基に出勤表を作成する
タイムカードだけの記録では、日々の残業や休日出勤などがわかりにくいので、各スタッフ別に出勤実績を作成し、どの日に残業が生じたのか、どの日が休日あつかいなのかを明確にし、スタッフのサインをもらうことが望ましいです。

・LinkBizではフレックスタイムの導入支援を行っております。制度をうまく使えば人件費の節約や、より効率的なシフトを組むことができるようになります。導入についてご質問がある方はお気軽にご連絡ください。

 

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