台湾労務:通勤途中に急死した遺族が会社を訴訟

会社は業務と無関係と認め支払いを拒否

宅配会社の管理職の男性が人手が不足していたため、毎日12時間以上働いたのち、4年前勤務中に心臓発作で死亡しました。遺族は会社に642万元の訴訟を起こしましたが、会社は業務と無関係だとして、補償を拒否しました。台北地院は生前6ヶ月の月平均残業時間は法定基準の45時間を超える59時間で、残業は心臓発作の可能性を高めると認定しました。しかし、男性は高血圧にもかかわらず、タバコを25年間毎日20本吸っていたのも心臓発作の原因だと認定し、賠償金額は353万元になりました。

2006年にドライバーとして入社後、チームリーダー、コミッショナーを経て2016年に管理職に昇進するも、ドライバーが大量退職し人手不足になったため、配送のサポートやクレーム処理のために、毎日早朝7時から出勤し23時に帰宅という事実を知りながら、会社はサポートスタッフを派遣しませんでした。

その後配送の遅れが原因とし降格させられました。再度管理職に昇格するもの管轄の社員の汚職が発覚し降格しました。転勤が多く長時間労働のため男性は心身共に大きなストレスを抱えており、2018年8月出勤途中に心臓発作で急逝しました。

遺族は会社は労働者が高圧的な環境で長時間働いていることに注意を怠り、職業安全衛生法、勞動基準法に違反していることと、男性の奥さんは人生のパートナーを失い、2人の幼い子供は父親の愛情を失い、父親の死に直面することすらできず、心理カウンセラーによるカウンセリングが必要であるほどだと述べました。葬儀、労働災害による死亡補償、扶養、精神的慰謝料など合計642万元以上の補償を求めました。

会社側は男性の退勤時間は19時か20時ごろがほとんどだが、電車の帰宅ラッシュを避けるために、オフィスに少し長く滞在してるだけだとしており、亡くなる半年間は45時間を超える残業はなく、会社は毎年健康診断をおこなっていたが男性は2年間医療機関に通っておらず、死因は仕事とは関係ないと説明しました。

台北地院が生前6ヶ月間の出勤記録をみたところ、毎月37時間以上の残業、2ヶ月で73時間以上の残業があり、1ヶ月の平均残業時間は59時間に換算され、標準の45時間を大きく超えていました。

間の増加による休息・睡眠不足や、職場環境や対人関係にも慣れなければならず、長年において身体に大きな負担がかかったとし、心臓病による突然死と長時間労働、懲罰、転勤の積み重ねには因果関係があると認定しました。

しかし、男性は高血圧でしたが、25年間日平均20本吸っていたことも心臓発作の原因で男性にも過失があるとし、損害賠償の60%の353万元の損害賠償が認められました。

以上を自由時報の記事か一部を翻訳しました。

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