台湾経済:景気対策信号 (2022年12月分更新)

12月 先行指標の減少率は縮小傾向に

 2022年の景気対策信号総合判断ポイントは12ポイントで、前月と変わらず信号は青色のままです。先行指標と一致指標は引き続き低下していますが、先行指標の減少率は縮小しています。

 世界経済はインフレと金利上昇の影響を受け、成長の勢い・最終需要のの需要は弱まり、産業チェーンでは在庫調整が続いているため、12月の貿易面、生産面、信頼感に関する指標は引き続き低調でしたが、国内消費は安定的に推移し、小売業及び飲食業は前年同月を大きく上回りました。

 輸出面では、ハイパフォーマンスコンピューティングやカーエレクトロニクスなどの新興技術の需要拡大が続いたものの、世界経済や貿易の勢いが弱まり、輸出実績が低迷する恐れがありました。投資面では、国内外の半導体サプライチェーンが台湾への投資を継続し、グリーンエネルギー投資及び台湾3大投資プログラムの継続、政府による公共建設予算の拡大などが、投資の勢いを後押ししています。内需面では、春節の休暇シーズンがビジネスチャンスとなることから、消費の勢いは安定的に推移していくものと思われます。

 IMFは世界経済の成長率を上方修正しましたが、経済リスクは依然として下振れています。世界的なインフレ・金利圧力が続く中、ロシアの軍事侵攻の激化の可能性や米中の関係悪化など世界経済発展の不確実性が高まる中、その後の動向を注視し適時対応することが重要です。

以上を國家發展委員會の記事から一部を翻訳しました。

 

 

11月 生産面、金融面での指標が低下

 

1、11月の景気対策総合判断信号は12ポイントで、前月から6ポイント減少し、信号は青色に変わりました。

 

2、今年はロシアの軍事侵攻や、高インフレの影響で、金融引き締めが加速した結果、世界経済の成長モメンタムは弱まり、最終市場の需要は減少し、産業チェーンでの在庫消化が続いています。その結果11月の関税輸出値、卸売業営業額が前年同期比で衰退しました。また、機械及び電機設備輸入値の増加幅も小さくなっているため、生産面、金融面などでの指標が低下してきています。

 

3、今後の展望として、輸出面では、新興技術の需要が引き続き高まり、在庫消化問題も解決されると思われます。しかし、世界経済と貿易の勢いが弱まれば、台湾の輸出に大きな影響が出ると思われます。投資面では、半導体やグリーンエネルギーへの投資、台湾の3大投資プログラムの継続、政府による公共工事の拡大などが、投資の後押しになると見られています。内需面では、年末の繁忙期や冬の本格的な寒さを迎えるため、消費者の購買力は安定すると思われます。しかし、ロシアの軍事侵攻やインフレ圧力に加え、中国のコロナ感染状況などにより、世界経済が下振れる可能性があります。

 

以上を國家發展委員會の記事から一部を翻訳しました。

10月 貿易面では好調を維持

 

1202210月の景気対策総合判断信号は18ポイントで、先月から1ポイント増加しました。信号は引き続き黄青色です。9つの構成項目のうち、機械及び電機設備輸入値の信号は、緑色から赤色に変化し、2ポイント増加しました。貨幣総計数M1Bの信号は、緑色から黄青色に変化し、1ポイント減少しました。その他の7項目について信号の変化は、していません。

 

2、電子製品の新登場を受け、カーエレクトロニクス、ハイパフォーマンスコンピューティングなどの需要は維持し、貿易面での指標は成長を維持しています。また、国民の生活も徐々に元の生活を取り戻してきており、卸売・小売及び飲食業営業額は成長を維持しています。

 

3、しかし世界的な経済成長の鈍化、最終市場の需要低迷、世界的な株式市場の影響を受け、10月の貨幣総計数M1B、株価指数、工業生産指数、製造業売上指数及び製造業営業気候観測ポイントが先月から下降しました。

 

4、今後の展望として、欧米の年末商戦や春節での需要が続く中、新興技術やデジタルトランスフォーメーションの需要も引き続き好調と思われます。投資面では、国内外の半導体サプライチェーンが台湾への投資を拡大し、グリーンエネルギーへの投資と台湾への投資を継続し、公共設備への工事もt進んでいるため、投資の勢いを維持することができます。内需面でも、国内のコロナ感染対策が緩和されているため、コロナ禍以前の生活消費に戻りつつあります。しかし世界的な経済成長の鈍化やインフレ、ロシアの軍事侵攻に加え中国のコロナ感染対策など、世界経済の不安定要素があるため、今後も注視し続ける必要があります。

 

以上を國家發展委員會の記事から一部を翻訳しました。

9月 卸売・小売及び飲食業営業額の回復傾向

 

120229月の景気対策総合判断信号は、17ポイントで先月から6ポイント減少しました。信号は黄青色です。景気の成長は鈍化し、今後の注視する必要があります。

 

2、電子製品の新登場を受け、カーエレクトロニクス、ハイパフォーマンスコンピューティングなどの需要は維持し、貿易面での指標は成長を維持しています。また、国民の生活も徐々に元の生活を取り戻してきており、卸売・小売及び飲食業営業額は成長を維持しています。

 

3、世界経済のインフレ圧力や、ロシアの軍事侵攻や、主要国の金融引き締めや、末端需要の低迷や、在庫調整が続いており、9月の株価指数や、工業生産指数、製造業売上指数及び製造業営業気候観測ポイントの下降に影響を与えました。

 

4、今後の展望として、輸出面では新興技術や応用テクノロジーやデジタルトランスフォーメーションの需要が継続したことや、欧米での年末消費者需要が輸出を支えると思われます。内需面では、入国制限が緩和されたことにより、消費も安定すると思われます。しかし、世界的なインフレ圧力や、ロシアの軍事侵攻や、中国のコロナ対策など、注視する必要があります。

 

以上の記事國家發展委員會から一部を翻訳しました。

6月 貿易面が引き続き好調

2022年6月の景気対策信号総合判断ポイントは27ポイントで、先月から1ポイント減少し、信号は引き続き緑色です。

 

世界経済はロシアの軍事侵略、世界的な高インフレ圧力、主要国の金融引き締め政策の影響を受け、企業の成長ペースが大きく鈍化し株式市場などにも影響を及ぼしたことにより、6月分の工業生産指数変動率、株価指数変動率、製造業営業気候観測ポイントが低下しました。また貿易面では、新興応用技術やデジタルトランスフォーメーションに対する需要が引き続き好調でした。内需面では、国内のコロナウイルス感染対策が緩和されてきたことと、昨年同月は警戒レベル3だったため、卸売・小売及び飲食業の売上高と非農業部門の雇用がともに昨年同期比で拡大しました。

今後の展望としては、国内の消費モメンタムは引き続き回復し、輸出と投資のモメンタムも継続的に成長すると予想されています。しかしロシアの軍事侵略、コロナウイルス問題は未だ解決されておらず、今後も動向を注視し続ける必要があります。

 

以上を國家發展委員會から一部を翻訳しました。

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