
違反企業には最大100万元の罰金/エバー航空客室乗務員死亡事案を契機に
台湾の労働部は、労働者が病気でも休みづらい状況を改善するため、《労工請假規則》(労働者の休暇規則)を改正し、2026年1月1日の施行を予定している。改正後は、労働者が年間10日以内の病気休暇を取得した場合、企業はこれを理由に不利益な扱いをすることが一切禁止され、違反した企業には《労働基準法》に基づき最大100万元の罰金が科される。
今回の改正は、エバー航空の客室乗務員が体調不良のまま勤務し、帰国後に死亡した事件を受けて行われたもの。労働部が行った調査では、体調不良でも「休みづらい」「病気休暇を申請しにくい」環境が存在していたことが明らかとなり、労働者の健康確保と休暇取得を巡る制度の見直しが必要だと判断された。
■ 改正のポイントは4つ■
労働部が示した改正内容は、大きく次の4点に整理される。
- 年間10日以内の病気休暇は不利益取扱いを禁止
病欠を理由に評価降格、手当減額、昇進制限といった扱いをしてはならない。 - 不利益取扱いの立証責任は企業側へ
労働者が「不利益を受けた」と説明すれば、企業側が正当性を証明する必要がある。 - 評価は病気休暇取得日数に依存してはならない
「能力」「態度」「実績」など総合的に判断し、単に休んだ日数で評価を下げることは禁止。 - 皆勤手当の控除は合理的な範囲に
数日病気休暇を取っただけで皆勤手当を全額カットするなど、比例原則に反する扱いを禁止。
■ 労働部「労働者が安心して休める環境づくりが企業の利益にも」■
労働部の李健鴻次長は、「体調不良のまま勤務することは、労働者の治癒を遅らせるだけでなく、同僚や顧客への感染リスク、判断ミスの増加など企業側の損失につながる可能性がある」と指摘。
企業は、労働者が必要な治療や休養を安心して取れる環境を整えることが重要だと強調した。
今回の改正は、台湾の労務管理における病気休暇の取り扱いを大きく見直すものとなり、実務面での企業対応も迫られることになりそうだ。























