空き箱を持ってくる位なのだから、ベトナムでも手に入るのでしょう、どうしてわざわざ日本でそんなに大量に買うの?などと尋ねると、「わかってないなあ」という顔をされる。「ベトナムに売っている物なんて、偽物かもしれないし、油断できないじゃないの。だって、ベトナムで売ってるのよ?それしか手に入らないなら仕方ないから買うけれど、日本に行けるなら、そりゃあ日本で買うわよ。その方が確実だし安心でしょう?」などと、当のベトナム人が言う。
また、団の中の誰かひとりが「この商品がいいのよ、私は買うわ。」と言うと、「私も」と他の人たちも一緒になって同じ物に殺到するのも、よくあること。その勢いで、某スーパーのストッキング売場をほぼ空にしたり、ドラッグストアの特定の棚の商品を買いつくしたり…ということが起きる。自分で試してみて良いと思った物を買うわけではなくて、口コミで「よい」とされた物が、よい商品ということのようだ。自分の感覚で商品を選ぶというのは、海外の製品である以上、難しいのかもしれないけれど。
そんな中で、聞かれて一番困るのは、「〇〇の中で一番良い製品はどれ?」という質問だ。例えば、「洗顔フォームを買いたいんだけれど、一番良い製品を教えて。」「一番効くコラーゲンはどの会社の製品?」など。とにかく何に関しても「一番」を決めたがる。これだけたくさんの製品がある中、一番良い物なんて誰にも分からないよ、日本の女性はいろんな商品を試してみて、自分の肌や体に合う物を試行錯誤して選ぶんだよ、なんて答えは求められていない。欲しいのは「○○社の××という製品が一番いいのよ。」という明確な答えだけだ。それに気づいてからは、「ここの製品が一番売れているみたいだよ。」などという返事を、出来る限りするようになった。
私がそれ程買い物好きな人間ではないので、こういった買い物に付き合うのは苦手だ。特にベトナムの人たちが、昼間の会議では見せなかった気合いと集中力をお店の売り場で発揮し、目を三角にして買い物をしているのを見ると、少し怖い、と思って腰が引けてしまう。けれども、それだけ日本の製品を買いたい!と思ってくれることは有難いことだし、それだけベトナム国内にまだまだ魅力的な物がないということでもある。日本びいきのベトナムの人達は、日本にとっては大事なお客さんだし、市場としてのベトナムは、まだまだ未開拓なのではないかと常々感じている。

























