
台湾・台北地方法院(113年度重労訴字第60号)は、HSBC台湾(滙豐商業銀行股份有限公司)を相手に雇用関係の確認を求めた元社員・藍珮瑜氏の訴えを棄却し、会社側の全面勝訴を言い渡した。
藍氏は12年間にわたりHSBC台湾で勤務し、最終的には資深副総裁という要職に就いていた。しかし、家庭経営企業の役員を無許可で兼任し、株式を保有していたことが発覚。就業規則に違反する兼職行為に加え、業務時間中に副業関連のメールを送信、さらには業務上得た機密情報を私的メールに転送するなど、数々の違反が明らかになった。
藍氏は、不当解雇を主張して以下のように反論した:
解雇理由が曖昧で、明確な説明がなされなかった
指摘された行為はすでに申告済みで許可を得ていたものであり、遡及的な処分は不当
懲戒解雇は重すぎ、他の軽微な措置が検討されるべき
解雇通知は、労働基準法が定める30日以内の除斥期間を超えている
しかし、裁判所はこれらの主張を退け、被告・HSBC側の以下の主張を全面的に認めた:
原告は長年にわたり、重大な就業規則違反を繰り返していた
利益相反を報告する義務を怠り、機密漏洩のリスクを生じさせていた
原告の兼職先とHSBCの顧客が一部重複し、利益相反が明白だった
解雇は内部調査後、速やかに行われた正当な懲戒処分であった
裁判所は、HSBCが労働基準法第12条第1項第4号に基づき藍氏との雇用契約を終了させたことについて、「理由は明確かつ重大であり、懲戒解雇の基準に照らして適法」と判断。解雇は正当なものであったと認定された。
📌 企業側勝訴のカギは「3つの徹底」
本件でHSBCが勝訴を勝ち取った背景には、以下3つの要素が挙げられる:
■ルールの明文化:就業規則において、重大な違反行為を具体的に列挙。裁判所が明確な判断を下せる法的根拠を整備
■利益相反の可視化:原告の行為が会社の利益といかに衝突するかを論理的かつ丁寧に説明
■証拠の具体化:業務時間中の副業活動、機密情報の私的流用に関する客観的な証拠を多数収集
























