〜労働時間と休日の基本ルールをやさしく解説〜

台湾の労働法では、「一例一休」制度が労働時間の中心的なルールとなっています。
企業がこの制度を理解してシフトを組むことで、人員配置の効率化や不必要な残業代の発生防止につながります。

 

■ 一例一休の基本ルール
台湾では、労働時間や休日の管理は「週」単位で行われます。
「一例一休」とは、1週間のうち1日は必ず「例休日」、**もう1日は「休息日」**とし、残り5日を「平日」とする制度です。

例休日:会社が従業員を働かせてはいけない日

休息日:希望があれば働ける日(ただし残業扱い)

平日:通常の勤務日(1日8時間まで)

このように、週ごとに明確な休み方のルールを設けることで、働きすぎを防ぎ、労働者の健康を守ることが目的です。

 

■ 各種休日の違い
① 例休日

原則として勤務は禁止です。

·もし出勤した場合、残業代+1日の代休を与える必要があります。
·ただし、出勤させること自体が法律違反になります。
·他の休息日や国定休日と入れ替えることはできません。

② 休息日

出勤は可能ですが、残業扱いになります。

同一週の中であれば、他の平日と入れ替えが可能(※労働者の同意が必要)。

週をまたいだ振替はできません。

③ 平日

通常勤務日です。1日の労働時間は8時間まで。

8時間を超えた分は残業代を支払う必要があります。

④ 国定休日(春節・中秋節・端午節など)

「一例一休」とは別の制度です。

この日に勤務した場合も残業代の支払いが必要です。

労働者の同意があれば、平日と入れ替えることも可能です(7日周期の制限なし)。

 

■ 残業時間の上限

台湾では、労働者の負担を防ぐために残業時間の上限も明確に定められています。

1日あたり:通常勤務8時間+残業4時間まで(合計12時間以内)

1か月あたり:46時間まで
┗ 労使会議で合意がある場合は、最大54時間まで延長可能
┗ ただし、3か月合計で138時間を超えてはいけません

📌 ■ 会社が行うべきシフト管理のポイント

1️⃣ 週のサイクルを決める
週の始まりと終わり(例:月曜〜日曜)を社内で統一しましょう。

2️⃣ 休日を明確に設定する
一般的には「日曜=例休日」「土曜=休息日」とするのが基本です。
雇用契約時に個別に定めることも可能ですが、後で変更するのは難しいため慎重に決定を。

3️⃣ 勤務表に休日を明記し、署名をもらう
シフト表に「例休日」「休息日」「国定休日」を明記し、従業員に確認・署名してもらうことで、トラブル防止になります。

4️⃣ 変形労働時間制の導入も検討
この制度を導入すれば、休日の設定が週単位に縛られず、より柔軟な勤務スケジュールが可能になります。

 

まとめ

台湾の「一例一休」制度は、単なる休日の決め方ではなく、労働者の健康を守りつつ企業経営の安定を図るためのルールです。
制度を正しく理解し、社内シフトや契約に反映させることで、法令遵守と円滑な業務運営の両立が可能となります。

 

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